「歯が痛くて治療したが、痛みがとれない」「痛くて歯を抜いたが、余計痛くなった」などといった原因不明な歯の痛みを訴える患者さんがおられます。
原因を特定できない顔面・口の中・歯に生じる慢性的な痛みを非定型顔面痛といい、最近注目されています。
次項の三叉神経痛のような典型的な症状はなく、知覚麻痺などの兆候もなく、X線やCTなどの検査でも異常をみつけることはできません。
歯に生じる非定型的歯痛も非定型顔面痛と同じ病気です。これらの痛みの原因は不明ですが、脳の神経ネットワークに異常が起き、痛みの感覚を調整できない状態と考えられています。
痛みを起す原因が明確でないため、精神的な異常とされたり、抜歯する必要のない歯を抜いてしまったり、問題が生じることがあります。
ある種の抗うつ剤を上手く使うと症状が改善することがありますので、患者さんの訴えから、正しい対処をする必要があります。治療に難渋することも多い病気ですが、当院では、患者さんの話にしっかり耳を傾け、適切な対処を行いますので、ご相談下さい。