交通事故や転倒などにより、唇や口腔内粘膜を切った、歯が折れた、抜けたなどのものから、顎の骨、頬の骨、顎の関節の骨折までさまざまな病態があります。
唇・舌を切る、歯が折れるなどの軽微な外傷は、交通事故をはじめ、歩き始めた幼児や高齢者の転倒、若年者の球技中の事故、泥酔しての事故など多種多様な原因で起こります。
唇を切る程度の傷は局所麻酔で縫合を行って1週間程度で抜糸となりますが、歯が折れる、抜けるなどの場合には、樹脂で欠けた部分だけ修復する簡単なものから、
神経をとって歯を被せる場合、再植や他の歯と接着し固定をするなど、複雑な処置を要するものや、長期的に経過を診ないと判断できないケースもあります。
万が一、事故で歯が抜けてしまった場合には、速やかに受診をして下さい。歯を元の位置に戻すのが早ければ早いほど、生着率が高くなることが知られています。
また抜けてしまった歯は専用の保存液に入れるか、なければ口の中に含んだ状態で受診してください。ティッシュにくるむなど乾燥させたり、汚したりすることがないよう注意してください。
なお、骨折に関しては全身麻酔での手術が必要な場合が多く、骨折の部位によっては顎間固定といって上下顎をワイヤーで縛り、口を開かなくして長期間治りを待たなくてはならないものもあります。
こういった場合、大学病院等適切な医療機関への紹介を行うと同時に、術後の開口訓練等のリハビリなど、当院で可能な治療を最大限行わせていただきます。