歯性感染症とは虫歯や歯周病が原因で、細菌性の炎症が顎の周囲の組織まで波及してしまう病気のことです。
原因は複数の口の中にいる細菌によるものですが、細菌が生体内に生息していても、すぐに感染症が発生するわけではありません。口の中にはたくさんの様々な菌が常在しますが、通常は無害です。
感染症は侵入した細菌の量や毒力が体の抵抗力を上回った場合に成立します。
抵抗力が弱まる原因として疲労、栄養失調、アルコール摂取、糖尿病などの代謝疾患、リウマチなどの膠原病とステロイド剤の使用、悪性腫瘍、ウイルス感染、免疫抑制剤や抗がん剤の使用などが挙げられます。
したがって、これらに該当される方は歯科治療や口腔清掃がことさら重要となります。
歯性感染症は炎症がどの程度波及しているかにより、それぞれ必要に応じた検査や治療が実施されます。
安静と、内服の抗生物質で軽快するものもあれば、入院、点滴、膿瘍の切開手術が必要になる重症なものまでさまざまです。
当院では、正確な診断を行い、適切な治療を行います。必要があれば、大学病院など適切な医療機関への依頼を速やかに行います。
症状の大小に関わらず、炎症が治まったら、原因となる歯の処置が必要です。歯の根の治療か抜歯が多くなります。
炎症がひいたからといって放置していると、再発したり、細菌が顎の骨の中に入り込み、慢性の骨髄炎となり、治療に難渋することもあるので注意が必要です。